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この記事から分かること
- ブロックチェーン技術とは
- ブロックチェーン技術の特徴
- ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーン技術とは、仮想通貨を使った取引の「承認技術」のことです。
ブロックチェーン技術は管理者なしで運営され、低コスト&高速&高い安全性で取引ができる優れた仕組みとなっています。
ビットコインのような仮想通貨は、このブロックチェーン技術によって自由に送金できています。
この記事を最後まで読むことでブロックチェーン技術の特徴と仕組みを図解で詳しく学ぶことができます!
ブロックチェーン技術を使った仮想通貨はただ便利なだけではなく、投資対象としても注目されています。
2023年~2024年は仮想通貨の買い場と言われています。
仮想通貨は他の投資先と比べると値動きが激しいため、購入タイミングを見極めることが最初は難しいです。
しかし、積立投資ならリスクを押さえて投資できるので初心者の投資戦略に最適です。
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本記事はビットコインの開発者の一人であるサトシナカモト氏の論文「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を参考に執筆しています。
※当メディアでは、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で認可を受けており、「関東財務局」に登録されている仮想通貨取引所の利用を推奨しています。また、当メディアの「仮想通貨」は「暗号資産」のことを指します。
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ブロックチェーン技術をわかりやすく解説!
ブロックチェーン技術とは、仮想通貨を使った取引を承認するための承認技術のことです。
ブロックチェーン技術を利用した取引には、従来のお金の取引とは異なる次の7つの特徴があります。
ブロックチェーンには様々な種類がありますが、本記事ではビットコインのブロックチェーンを例に挙げてご紹介していきます!
①運営に管理者が必要ない
ブロックチェーンの技術を使った取引のでは、特定の管理者は必要ありません。
従来のお金のやり取りでは、銀行や企業がその管理を行う必要がありました。
ブロックチェーンでは、世界中のブロックチェーン参加者が自身のコンピュータ等で取引の承認を行います。
取引の承認に成功すると、報酬として仮想通貨が新しく発行される仕組みになっており、承認作業に協力する参加者が自然と集まってくる訳です。
管理者を挟むことなく個人と個人が取引できる仕組みをP2P(Peer to Peer)と呼びます。
P2Pは、開発者であるサトシナカモトがブロックチェーンを開発するにあたって大切にしていた考え方です。
管理者がいなくても回ってる仕組みってすごいね!
②誰でも運営に参加し報酬を獲得できる
ブロックチェーンの取引の承認作業は誰でも参加でき、承認に成功すると報酬としてビットコインを貰えます。
日本円といった従来の取引の管理は銀行といった特定の組織が行います。
私たち利用者がそこに協力する余地はもちろんありませんでした。
ビットコインには新規発行上限があり、金や銀といった希少な鉱物資源と本質が似ていることから、報酬を貰うことを「マイニング(採掘)」と呼びます。
マイニングに最低限必要なものは、ちょっとスペックの良いパソコンだけです。
スペックが求められる理由は本記事後半の承認作業の仕組みで詳しく紹介していますが、承認作業には少し難しい計算処理をこなす必要があるからです。
一般的なゲーミングPC程度のスペックであれば、問題なく承認作業に参加できるでしょう。
私は普段ゲームで遊ぶために使っているゲーミングPCで度々マイニングを行っています!
誰でも承認作業に参加して仮想通貨を貰えるんだね!ユーザーだけで回っている仕組みってすごい!
こちらの記事でマイニングで承認作業に参加し、仮想通貨を稼ぐ方法を解説しています。
③24時間営業でトラブルで停止しない
ブロックチェーンの仕組みは24時間維持され、トラブルで機能全体が停止することはありません。
銀行のように特定の組織が管理しているサービスの場合、1つトラブルが発生して全体のサービスが一時的に利用できなくなることがあります。
銀行がトラブルでATMが停止して使えなくなるニュースは度々見受けられますよね。
金融庁 2021年11月26日「みずほ銀行及びみずほフィナンシャルグループに対する行政処分について」
みずほ銀行のATMトラブルは一時期問題になってたよね・・・
一方、ブロックチェーンは世界中の匿名の参加者によって仕組みが維持されています。
ブロックチェーンの仕組みに参加しているある1個人・1組織のコンピューターにトラブルが生じても、運営にまったく問題がありません。
1台のコンピューターでトラブルが生じていても、別のコンピューターが取引の承認を行えばいいだけだからです。
また、当然営業時間のようなものもなく、定期メンテナンスも必要ない仕組みなので、ブロックチェーン技術による仮想通貨のやり取りは24時間いつでも行うことができます。
営業時間外でもすぐ送金したいことはよくあるよね!これは便利!
④低コスト&高速で取引ができる
ブロックチェーンを使った取引では低コスト&高速で取引ができます。
例えば、日本円を海外に送金する場合、以下の4つの手数料で合計約4,000円の手数料が発生し、送金には3日~5日程度掛かってしまっていました。
- 送金手数料:日本の銀行の手数料
- 円貨送金手数料:日本円を外貨に交換するための手数料
- 中継銀行手数料:海外の銀行との仲介を行う銀行に支払う手数料
- 受取銀行手数料:海外の送金先の銀行に支払う手数料
従来の送金方法だと多くの工程が必要になるため、手数料をたくさん支払う必要がありました。
ブロックチェーン技術を使った仮想通貨の海外送金の場合、スマホでワンタップで格安の手数料&短時間で送金を行うことができます。
仮想通貨の中には送金に特化した種類もあり、そういった通貨を利用すれば数円の手数料で即時送金も可能です。(仮想通貨リップル)
すごい・・・!でもなんでブロックチェーンだと安くて早いの?
ブロックチェーンは法定通貨の送金と比べると人や設備の手間がほとんど掛かっていないからです!
- 取引の承認作業に必要な工程が少ない
- 承認に必要なコストは参加者のコンピュータの電気代のみ
- 匿名で運用されるため、信用維持に掛かるコストもない
管理者がいない仕組みというだけで、これだけのメリットがある訳ですね。
⑤誰でも取引内容を閲覧できる透明性
ブロックチェーン上で行われた全ての取引は誰でも閲覧できます。
ビットコインの取引であれば、Blockchain.comといった公式サイトで詳細を全て閲覧できます。
ビットコインのブロックチェーンの開発者であるサトシナカモトはこの透明性を大切にしています。
ブロックチェーンは管理者が存在しない、民主化されたお金のやり取りの仕組みという訳です。
全ての取引をみんなで確認し合えるからこそ、安心安全な取引が出来るようになっているんだね!
⑥匿名で利用できる
ブロックチェーンでマイニングを行ったり、ビットコインの送金を行ったりする際に個人情報は必要ありません。
一切の登録は不要で匿名で利用できます。
これはブロックチェーンの開発者であるサトシナカモトのこだわる「脱中央」「分散化」が表れているポイントですね。
銀行の場合は個人情報を提出しないと利用できません。
これは銀行は過去の取引を全て管理し、問題が起こったり、差し戻しの必要があったりすると、個人情報と紐づけて修正の対応を取る必要があるからです。
確かに銀行は間違えて振り込んでも差し戻しとかできるよね!
サトシナカモト氏の論文風の表現を使うと「金融は可逆的なサービスを扱っているので、後のことを考えて個人情報を求める必要がある」ということです。
本記事の後半で解説していますが、ブロックチェーンは過去の取引を修正できないという特徴があります。(不可逆的)
従って、ブロックチェーンに個人情報を紐づける必要性がそもそもなくなっています!
⑦不正が起きない強固なセキュリティ
ブロックチェーンは管理者がいないにも関わらず、高いセキュリティで不正が起きない仕組みになっています。
本記事後半でブロックチェーンで不正を行って取引を削除する具体的な方法について解説していますが、とにかく大変で難しいです。
承認作業にはスペックの良いコンピューターによる高度な計算処理が必要になりますが、電気代が多く掛かり、これは不正を行う場合はさらに掛かってしまいます。
そして、電気代を多く費やして成功するか分からない不正を行うより、真面目に承認作業を行ってビットコインを報酬として貰った方が得だと判断されます。
金融機関も当然セキュリティは高いと思うけど、これをブロックチェーンは24時間体制&低コストで実現できるからすごいね!
ブロックチェーンの強固なセキュリティの仕組みはこちらで詳しく解説しています。
【図解】ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンの仕組みは、文字通り、仮想通貨の取引の承認が「ブロック」毎でまとめて行われ、「チェーン」のように承認の履歴が一本に繋がることで管理者不要で強固なセキュリティとなっています。
ここでは、ブロックチェーンの仕組みを次の4つの特徴に分けて詳しく解説します。
ブロックチェーンがどんな仕組みで管理者不要でセキュリティが高い送金技術を実現させているのか気になる方は是非ご覧ください!
仕組み①:取引はブロック単位で承認
ブロックチェーンの1つ目の仕組みは、ブロックチェーンで行われる取引は、複数の取引が入ったブロックという単位でまとめて行われるということです。
だから「ブロック」チェーンと呼ばれている訳ですね。
ビットコインのブロックチェーンでは10分間に行われた取引が1つのブロックとしてまとめられて承認されます。
つまり、ビットコインを送金してから着金する時間も10分が目安ということになります。
ビットコインが入金されるまでいつも少し時間が掛かるけど、そういう理由だったんだね!
仕組み②:取引は全部繋がっている
ブロックチェーンの2つ目の仕組みは、ブロックチェーンのブロックは全て鎖(チェーン)のように繋がっているということです。
繋がっている理由は、最新のブロックに過去の取引情報が入っているからです。
新しい取引の情報が付け加えられながら、チェーンが伸びていくイメージですね。
なるほど!だからブロック「チェーン」って呼ばれるんだね!
この仕組みが高いセキュリティになっている理由の1つで、過去のある1つの取引だけを不正に削除するといったことができません。
削除したブロック以降のブロックも全て書き換えないと、ブロックチェーン全体の整合性が取れなくなるからです。
全て書き換えるには、コンピューターで多額の電気代を費やして難しい計算処理を何度も行わないといけません。
成功するか分からない不正な取引の削除を行うくらいなら、真面目に承認作業に協力してビットコインを報酬として貰った方が良いということになります。
仕組み③:チェーンはさかのぼれない
ブロックチェーン技術の3つ目の仕組みは、ブロックチェーンは遡って(さかのぼって)取引の内容を修正したり、削除したりできないということです。
承認済みの取引をキャンセルしたり、修正したりすることは絶対にできないということです。
ビットコインの開発者の1人である、サトシナカモト氏の論文の言葉を使うとブロックチェーンは「不可逆的」となっています。
でもなんで遡れないの?修正できたり、削除できたりした方が便利なような気もするけど・・・
ブロックチェーンはこの仕組みにより、匿名かつ低コストで利用できるようになっています。
銀行の場合は、過去に行われた取引も管理する必要があります。例えば、振り込み済みでも、ご送金や何か別の問題があったら差し戻す対応を取る必要があるからです。
こういった可逆的なサービスを行うには個人情報の管理等のコストがたくさん掛かります。
ブロックチェーンは遡ることができない仕組みのため、匿名かつ低コストで利用できる訳です。
なるほど!ブロックチェーンは不可逆性が大切なメリットなんだ!
仕組み④:チェーンは分岐できない
ブロックチェーンは最初のブロックから最後のブロックまで一本に繋がっており、分岐は禁止です。
ブロックチェーンの分岐は唯一のセキュリティ上の弱点だからです。
しかし、仕組み上ごく稀に2人のマイナーが完全に同時にマイニングに成功し、分岐してしまうことがあります。(ブロックチェーン上の分岐はフォークと呼びます)
2つのブロックの中身の取引は基本的同じなので、分岐したブロックは削除されるだけです。
仮に違う取引が入っていた場合は再度承認にかけられ、メインのチェーンの1本に統合されます。
確かに、取引承認の状況が2通りに分かれていたらおかしいよね!
ブロックチェーンの承認作業の裏側を解説
次にブロックチェーンの取引承認作業でコンピューターが行っている処理について、次の流れでイラストを使って分かりやすく解説していきます。
どんな仕組みで管理者不要で高いセキュリティを実現できてるのか凄い気になる!
ブロックの中身のヘッダ情報を理解する
承認作業(マイニング)の中身を知るためには、まずブロックチェーンのブロックの中身を理解する必要があります!
下のイラストは、ビットコインのブロックチェーンの仕組みにおける、ブロックの中身の詳細です。
ブロックチェーンのブロック1つ1つは「取引内容」と「ブロックヘッダ情報」の2つで構成されます。
「取引内容」については、10分間で発生するビットコインの送金内容です。
「ブロックヘッダ情報」は、大きく分けて次の4つで構成されます。
- 前のブロックハッシュ:これまでのブロック全ての情報の要約
- ルートハッシュ:このブロックの取引内容全ての要約
- ナンス:マイニングで使用する値(詳細は後述)
- その他色々:ブロックの生成時刻など
意外とシンプルだね!
次に、このブロックの中身の情報がどのように承認作業で活用されているのか解説していきます。
承認作業はヘッダ情報のハッシュ化
ブロックチェーンで行われているマイニングは、言い換えるとブロックヘッダ情報をハッシュ化することです。
ハッシュ化って一体なんのこと?
「ハッシュ」は「ハッシュドポテト」のハッシュです。
「細切れにする・ごちゃ混ぜにする」といった意味があります。
ハッシュ化を行うと、文字列を特定の桁数の文字列に変換することができます。
- 例①:satou⇒999413ee3e892395b9fa006d9262e37f653c95193a53e1ba7b7dbbeac7477042
- 例②:satou2⇒e3368ad8da26fa8afb8e32b1b57d699b87a35c2d2bef4d20bc1dc87facbcc219
このように、「satou」に「2」を付け加えただけでまったく別の文字列に変換され、ハッシュ化された後の文字列を元に戻せないという特徴があります。
次のように考えるとイメージしやすいです。
例えば、y=x^2の2次関数で、x=2と入れるとy=4となり、値は1つに定まります。一方、y=4のとき、xは「+2」と「-2」の両方が解となってしまいます。
このように、ハッシュ化された文字列から元の文字列を推定することはできますが、答えを決めきれないという訳です。。
このことから、マイニングはさらに嚙み砕くと「ブロックヘッダ情報をハッシュ化した値の先頭にゼロが連続するまでハッシュ化を繰り返すこと」になります。
例:00000000000000000000006d9262e37f653c95193a53e1ba7b7dbbeac7477042
繰り返す際は、ブロックヘッダ情報のナンスを変えて再度ハッシュ化します。
- 前のブロックハッシュ:これまでのブロック全ての情報の要約
- ルートハッシュ:このブロックの取引内容全ての要約
- ナンス:マイニングで使用する値(詳細は後述)
- その他色々:ブロックの生成時刻など
ハッシュ化後にゼロが連続するようなナンスを見つけるまでハッシュ化を続けることが承認作業という訳です。
そして、ゼロが連続する文字列を見つけることに最初に成功したコンピューターがビットコインを報酬として貰える競争のような仕組みになっています。
このハッシュ化作業はコンピューターにとっては重労働です。
たしかにこれは大変そう・・・
多額の電気代を掛ける必要があり、電気代が値上がりしている時期は報酬より電気代の方が多いこともあります。
でもこれだけ大変な承認作業が必要になっていることが高いセキュリティの理由です。
多額の電気代を費やしてまで成功するか分からない不正を行う気にならず、真面目にマイニングを行ってビットコインを報酬として貰った方がずっと儲かるからです。
ちなみに、ゼロの連続する個数はブロックの承認が10分で丁度終わるように調整され、これを「難易度調整」と呼びます。
年を追うごとにコンピューターの性能が上がるため、難易度を上げるためにゼロが増えていくのが基本です。
以下はビットコイン取引の最初の検索サイトを立ち上げた会社Blockchain.comの公式サイトで見ることができる難易度推移のグラフです。(ブロック承認に必要な計算量の推移)
右肩上がりになっていることがよく分かりますね。
ブロックチェーンの承認の裏側はこんなことになっていたんだ!
色々なブロックチェーンの承認の仕組み
本記事では主にビットコインのブロックチェーンの承認の仕組みについて解説してきました。
承認の仕組みは「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれ、仮想通貨によってその仕組みは異なることが多いです。
ここでは有名なブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムを3つご紹介します。
ビットコインの仕組み=PoW
本記事で紹介してきたビットコインのブロックチェーンの承認の仕組みは「Proof of Work(プルーフオブワーク)」と呼ばれます。
直訳すると「作業による証明」となり、ハッシュ化作業を何度も繰り返して承認が行われることが由来です。
Proof of Workはビットコインの取引承認ルールのことです。
1つの取引に対して多くのコンピュータが一斉に承認作業を行い、難しい計算処理を一番に成功すると報酬を獲得出来る競争のような仕組みです。
承認作業に多くの電気代が掛かるため、成功するか分からないような不正に時間を掛ける気にならず、真面目に承認を行って報酬を貰った方が良いというセキュリティ上のメリットがあります。
一方で、多くの電気を必要とすることから環境に対する問題が懸念されています。
イーサリアムの仕組み=PoS
ビットコインの次に時価総額の大きいアルトコインであるイーサリアムでは、「Proof of Stake(プルーフオブステーク)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
イーサリアムは、送金目的だけでなくアプリを開発して動かすこともできる別名「ワールドコンピュータ」と呼ばれる仮想通貨です。
直訳すると「保持による証明」となり、良いスペックのコンピュータは必要なく、仮想通貨を持っているだけで承認活動に参加して報酬を貰うことが出来る点が特徴です。
Proof of Stakeは主にイーサリアムで採用されている承認ルールです。
Proof of Stake では、仮想通貨を保有することで承認作業に参加して報酬を貰うことができます。
保有量が多いほど承認できる確率も上がり、報酬を貰いやすくなります。
承認に高度な計算処理は必要ないため、ビットコインのProof of Workと比べて電気代はまったく掛からないので、とてもエコな承認の仕組みです。
承認で不正を行うと保有している仮想通貨が没収される仕組みがあるため不正対策も万全です。
プルーフオブステークは、プルーフオブワークより優れた仕組みだといわれています。
イーサリアムは2022年9月15日に完了した「The Merge」と呼ばれるアップデートでProof of WorkからProof of Stakeにコンセンサスアルゴリズムを変更させています。
▶Coinpost 9月15日記事:イーサリアム大型アップグレード「マージ」実装完了
バイナンスコインの仕組み=PoSA
取引量が世界で最も大きい仮想通貨取引所Binance(バイナンス)が発行している仮想通貨BNB(バイナンスコイン)の承認の仕組みについて紹介します。
BNBでは「Proof of Staked Authority(PoSA)」というコンセンサスアルゴリズムが採用されています。
直訳すると「保持・権威による証明」という意味になり、仮想通貨を保有していることに加え、承認者にふさわしい権威を持っている人物・組織である場合のみ承認活動に参加できます。
Proof of Staked AuthorityはBNBで採用されている承認ルールです。
まず以下の条件を満たしている個人・組織がマイナーの候補者になります。
- 1万BNBを持っている
- 十分な設備を備えている
そしてBNBを持っている人は候補者に投票でき、トップ21が承認者になります。
ただ仮想通貨をステーキングしているだけではなく、個人・組織として十分承認活動を行えるという権威を示せているかが重要になる所がポイントです。
24時間毎に21人は再選定される仕組みなっており、不正を行ったり、オフラインで承認活動を行っていなかったりすると解任されます。
ちなみBNBを保有して投票に参加するとBNBを報酬として貰えます。
承認者側は承認すると報酬を貰えますが、投票してくれた人にも山分けします。山分け率は承認者によって異なりますが、高い所は6%~8%で利回りを設定してくれてます。
下の記事でBNBを保有して報酬を貰うやり方を解説しています。
ちなみに私もBNBを保有して投票に参加してます!
【図解】ブロックチェーンの不正事例紹介
次に実際に起きたブロックチェーンの不正事例を紹介していきます。
2018年5月17日にモナコイン(MONA)というProof of Workの仮想通貨で、1500万円相当のモナコインを残高を減らさずに別の通貨に換金したという事件が発生しました。
この事件をきっかけにモナコインは長く下落し続けました。
この当時は相場全体の地合いが悪いのでその影響も一部はありますが、明らかにモナコインは他の仮想通貨と比べて下落率が大きいです。
今回の事件の手口の概要は以下の通りです。
- 自分が承認に成功したブロックを非公開に
- 非公開にしたチェーンを裏で伸ばしていく
- メインチェーンの長さを越した所で公開
- 過去に行われた取引が削除される
以下、取引の手口を簡単に図解してみました。
犯罪者のゴールは100万円分の仮想通貨を残高を減らすことなく、日本円に換金することです。
取引Aを承認者が承認(マイニング)に成功すると画像の上のように前のブロックに繋がっていきます。
しかし、下のように一度マイニングに成功しても公開しないことで、また別の承認者に承認を行わせることができます。
この時チェーンは分岐してしまいます。(ここで出来た2つのブロックの中身はほぼ同じ)
取引Aより後の取引は承認された後は公開されているメインチェーンの方に繋がります。
過去の取引Bは取引所に100万円送金したという取引です。
ここで取引所に100万円分に仮想通貨を送金し、日本円に換金した後で取引Bを削除することで仮想通貨の残高を復活させることができます。(送金前の状態になる)
従って、犯人は取引Bを削除するために「チェーンが分岐するときの2つのルール」を利用しました。
この2つのルールを利用することで、以下のような不正が理論上できます。
B´として100万円を自分に送金するという取引を非公開にしていたチェーンに仕込ませておくことで、公開した時に過去に100万円送金したという取引Bを重複扱いにし、削除できる訳です。
取引所に送金した100万円を日本円に交換した後、取引所に送金したという情報を削除することで、仮想通貨の100万円の残高が復活するという理屈です。
モナコインの不正はこのように行われました。
意外と不正もできちゃうんだ!こんなことが頻繁に起こると利用できないよね・・・
実際はメインチェーンの長さを越すほどのチェーンを裏で用意することは非常に難しいです。
モナコインのコンセンサスアルゴリズムはProof of Workでした。
Proof of Workでは難しい計算処理を何度も繰り返して承認を行うため、多額の電気代が掛かります。
多額の電気代を費やしてまで滅多に成功しない不正を行うより、真面目にマイニングを行って報酬を貰った方が良いという判断になるのが普通です。
ちなみに、モナコインは取引量が多くない仮想通貨だったため、そこが狙われた理由でした。
ブロックチェーンはNFTでも活用されている
ブロックチェーンはNFTでも利用されている技術です。
次にNFTの概要について初めての方向けに紹介していきます!
NFTは「Non-Fungible Token」の略です。
日本語訳すると「非代替性(ひだいたいせい)トークン」という意味になり、他に替えが利かないデジタルデータという意味になります。
これまでのデジタルデータ(jpgやpngといった画像データ等)はそれぞれが特別ではなく、簡単にコピー可能でどれが本物か偽物かどうかの区別はまったくつきませんでした。
簡単にコピー&ペーストでコピーが作成できちゃいますよね。
しかし、NFTとしてのデジタルデータはブロックチェーン技術により本物と偽物を区別できるようになっています。
NFTにはそれぞれに固有の識別コードが付いており、その作者が誰でどういう取引を経ているか全てブロックチェーンに情報が残っているからです。
例えば、作者がアートをNFTとして出品すると、その作者のデータがNFTに紐づきます。
NFTが購入されると、所有者が「作者⇒購入者」に移ったという事実がブロックチェーンに記録されます。
作者が実際に出品した本物を購入して入手したNFTであるという事実を証明できるのです。
本物であるNFTの画像をコピーして出品するといったことも可能ですが、コピーしたNFTには実際の作者が描いたという情報が紐づいていません。
本物ではなくコピーして出品した偽物のNFTであるということがすぐに分かってしまいます!
ブロックチェーン技術・NFTによりデジタルアート作品に価値が生じるようになり、クリエイターが収益を獲得できる機会が大きく広がりました。
NFTはNFTのマーケットプレイスであるOpenseaというサイトで自由に仮想通貨を使って取引できるようになっています。
ブロックチェーンのおかげでデジタルデータに本物と偽物の区別が付くようになって価値が生まれてるんだね!これはすごいワクワクするかも・・・
ブロックチェーンの誕生経緯とは
最後に、最初に開発されたビットコインのブロックチェーンの成り立ちについてご紹介します。
ブロックチェーンは匿名の人物から誕生
ブロックチェーンが生まれたのは2008年の11月です。
サトシ・ナカモトと呼ばれる匿名の人物が「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」というビットコインに関する論文を公表しました。
このビットコインのコンセンサスアルゴリズムがブロックチェーンです。
このサトシ・ナカモトと呼ばれる人物の素性は現在も一切分かっていません。
そのあと他の開発者と共同で開発が進められていき、2009年1月に最初のブロックが承認され、ブロックチェーンの歴史がスタートしました。
同年の10月にNew Liberty Standardという匿名の組織・人物がビットコインに対して興味を持ち、取引サイトを作成するために、ビットコインを買い取りたいという話を開発者に持ちかけました。
この時5050枚のビットコインが、発行にあたって必要になった電気代5.02ドルで取引されることになりました。
これがブロックチェーン技術によってビットコインが最初に法定通貨と交換された瞬間です。
ビットコイン1枚が0.001ドルで取引されたことになるので、今の数万ドルの価格からは信じられないですよね。
初めてビットコインの市場を作ったNew Liberty Standardの公式サイトは現在も残っており、下のリンクからアクセスすることができます。
取引サイトといっても非常に簡素なもので、New Liberty Standardに直接メールを行い、ビットコインを何枚買いたい・売りたいというオーダーを出す形でした。
こういう個人サイトが始まりなんだね!この時はビットコインの価格が1枚数百万円になるなんて想像も付かないよね・・・
ブロックチェーンは日本の会社から普及
2010年5月に初めてブロックチェーン技術によりビットコインで商品の購入が行われました。
- 2010年5月18日:ラズロ氏が「1万BTCでピザを2枚買いたい」とビットコインのコミュニティに投稿する
- 2010年5月22日:数日相手にされながったが、ジェレミー氏が「パパジョンズ」でピザをカードで購入
- 2010年5月23日:ラズロ氏がジェレミー氏に1万BTCを送付
厳密にはジェレミー氏が「パパ・ジョンズ」でクレジットカードでピザを購入し、ラズロ氏の所を配達先にしているだけなので、ビットコイン決済を行っている訳ではないですが、5月22日は「ビットコイン・ピザデー」と呼ばれる仮想通貨の歴史上で有名な日となっています。
今はこんなに注目されてるビットコインも最初はこんなやり取りから始まってるんだね・・・
ラズロ氏が「ピザを購入したい」と投稿した内容は下のBitcoin Forumから確認することができます。
2010年7月には世界初のビットコイン取引所である「マウントゴックス」が日本で誕生しました。
当時にビットコインで商品やサービスを購入することはほとんど出来なかったため、実用性はありませんでしたが、興味本位や投機目的で注目を集めていきました。
これをきっかけにブロックチェーン技術が世界中で利用されるようになったと言えますね。
ブロックチェーンに関するFAQ
まとめ:次世代を担うブロックチェーン
本記事ではブロックチェーンの特徴や仕組みを図解でご紹介してきました。
ブロックチェーンには次の7つの優れた特徴があります。
ブロックチェーンを使った取引では、管理者が不要で低コストかつ高速でお金のやり取りができるようなっています。
送金用に開発された仮想通貨リップルを発行するリップル社は銀行と共同でリップルを使った送金を世界のスタンダードにするためのテストも行っています。
いつかブロックチェーンを使ったお金のやり取りが当たり前になる世界が訪れるかもしれませんね。
ブロックチェーン技術を使った仮想通貨はただ便利なだけではなく、投資対象としても注目されています。
2023年~2024年は仮想通貨の買い場と言われています。
仮想通貨は他の投資先と比べると値動きが激しいため、購入タイミングを見極めることが最初は難しいです。
しかし、積立投資ならリスクを押さえて投資できるので初心者の投資戦略に最適です。
コインチェックは、国内で唯一ビットコインを自動で積み立てることができる取引所です!
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【5更新】口座開設キャンペーン一覧
【金融庁】仮想通貨に関する注意喚起
仮想通貨に関する法令・注意喚起について知りたい方は、以下の関連ページを一読することをオススメします。
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