
仮想通貨がバーンされるニュースをたまに耳にするんだけど、バーンってどういうこと?仮想通貨の価格が上がったり、仮想通貨を持ってる人にメリットがあることなのかな・・・
この記事ではこんな方の疑問を解決します!


仮想通貨のバーン(Burn)の概要


秘密鍵を誰も知らないアドレスに仮想通貨を送金し、市場流通不可にすることを仮想通貨の「バーン(burn)」といいます。
仮想通貨の価格は、既にバイナンスやコインチェックといった中央集権型で直接他の人の提示する価格で仮想通貨の売り買いをしたり、パンケーキスワップといった分散型取引所で売買を行うことで変わります。
「バーン」によって、既に購入され市場に流通している仮想通貨を誰も触ることができないアドレスに送ることになるので、買いのみが発生し、売り圧が発生しないという状況を作ることができます。



仮想通貨を発行している運営・管理者はこの「バーン」という手法によって、仮想通貨の価値を高める施策を取ることがあります!
次のアドレスに仮想通貨を送ることで簡単にバーンすることができます。
バーンアドレス①:0x000000000000000000000000000000000000dEaD
バーンアドレス②:0x0000000000000000000000000000000000000000
この他にも秘密鍵を誰も知らないアドレスは多く存在しますが、主に上の2つのアドレスが使用されることが多いです。
片方のアドレスで上手く送信できずエラーになった場合、もう片方のアドレスで試してみましょう。
バーン量の決定方法や実施のタイミングは各仮想通貨によって異なります。



本記事ではバイナンスの仮想通貨BNBとNFTゲーム「MyRichFarm」の仮想通貨RCHを例に、バーンの仕組みと仮想通貨の価格に与える影響について解説していきます!
仮想通貨BNBのバーンの仕組みとメリット
まずバイナンス発行の仮想通貨BNB(バイナンスコイン)のバーンの仕組みとメリットについて解説していきます。
通貨名称 | バイナンスコイン(Binance coin) |
シンボル | BNB |
発行上限 | 2億枚(全て流通済み) |
主な取扱取引所 | Binance |
仮想通貨BNBのバーンの仕組み
仮想通貨BNBのバーンは次の2つ方法によって行われます。
- Real-Time Burn(リアルタイムバーン):利用者の支払うガス代の一部で常時行われているバーン
- Quartely Auto-Burn(四半期自動バーン):四半期ごとに自動で行われるバーン
① Real-Time Burn(リアルタイムバーン)について
Real-Time Burn(リアルタイムバーン)は、バイナンススマートチェーン(BSC)で取引を行う際に利用者が支払うガス代の一部を元手に行われるバーンです。


上の画像のように、私たちが支払っているBNBのガス代はブロックチェーンの承認作業を行う人の報酬分以外がバーンの対象となります。(Validatorset Contractの1/10)
② Quartely Auto-Burn(四半期自動バーン)
Quarterly Auto-Burn(四半期自動バーン)は四半期毎にバイナンスが自動のプログラムに従って行う大型のバーンイベントです。
四半期自動バーンでバーンされるBNBの量は以下の式によって決定されます。


B:四半期自動バーンでバーンされるBNBの枚数
N:四半期間でBNB Chain(BSC)で生成されるブロック数
P:四半期間のBNBの平均価格
K:コミュニティの投票によって決定される値。初期は1000でセットされている。



BNB Chain(BSC)ではブロックが3秒間隔で生成されるため、Nの値は大体2,600,000で固定になります!
Kの値も基本的には変わらないため、実質四半期間のBNBの平均価格でバーン量が決まります。
仮想通貨BNBのバーンについては以下の記事でさらに詳しく仕組みについて解説しています。
仮想通貨BNBのバーンのメリット
Real-Time Burnでは私たちがガス代として割り増しで支払っている分がそのままバーンされており、Quartely Auto-Burnではバイナンスが自社株買いのような形で四半期毎にBNBをバーンしていきます。
これら2つのバーンが行われることにより流通済みのBNBの供給量が減るため、BNBの価値が高まります。
しかし、Real-Time BurnとQuartely Auto-Burnは昔から決まったルールに従って実施されているバーンとなっているため、現在バーンの実施アナウンスが瞬間的に大きくBNBのチャートに影響を与えることはありません。
BNBのバーンは基本的に現在のチャートに折り込み済みであると考えるべきでしょう。



バーンで価格が大きく動く場合は、「これから新しいバーンを行っていくというアナウンスが初めてされた時」というのが一般的です。
これから流通している仮想通貨の枚数が少なくなり、仮想通貨の価値が高まることに期待する投資家による買いが入ります。
仮想通貨RCHのバーンの仕組みとメリット
NFTゲーム・BCGの仮想通貨でもバーンが行われることがあります。
本記事ではオススメのNFTゲーム「MyRichFarm」のトークンRCH(リッチトークン)を例に解説します。


通貨名称 | リッチトークン(Rich Token) |
シンボル | RCH |
発行上限 | 50億枚(2022年8月時点では11億のみが流通済み) |
主な取扱取引所 | Pancakeswap(パンケーキスワップ)(RCH-BUSDのLPプール) |
仮想通貨RCHのバーンの仕組み



MyRichFarmは農場のNFTを購入し、収穫と種まきを繰り返して仮想通貨RCHを稼ぐNFTゲームです!
稼いだ仮想通貨RCHを引き出すときに、以下のような3本の取引がブロックチェーン上で発生します。


12,060RCH引き出しているにも関わらず、合計で12120.3RCH分の仮想通貨が供給されていることがポイントです。
この余分に供給されている「引き出し量×0.5%」分がバーン用のプールに一時的に貯まっていきます。(0xd225c~)
運営がバーンの実施を行うと、以下の取引がブロックチェーン上に発生します。


「Null Address(0x00~)」は新しく仮想通貨が供給される時に「From」側で使われるアドレスですが、仮想通貨をバーンするときの送り先の「To Null Address」としても使用することができます。
運営はバーンを実施するとき、画像のように定期的に貯まったバーン用のプールからNull AddressにRCHを送ってバーンしています。
仮想通貨RCHのバーンのメリット
このように、MyRichFarmの仮想通貨RCHはBNBとは違い全てが流通しているわけではなく、バーンは流通済みの仮想通貨RCHに対して行われるものではありません。
稼いだRCHを引き出すときに、余分に引き出し量の0.5%の仮想通貨を供給させ、その分をそのままバーンアドレスに送金していることになります。
RCHはパンケーキスワップにのみ上場している仮想通貨ですが、パンケーキスワップの流動性プールの中のRCHの枚数が変わらないとRCHの価格も変わらないため、上のようなバーンではRCHの価格に影響することはありません。
「大型バーンの実施=流通済みの仮想通貨の枚数が減って価格が上がる」と誤解されることも多いですが、このように分散型取引所の流動性プールには影響を与えず、一切価格に影響しないこともあるので注意しましょう。



しかし、ここまで裏の仕組みまで考える人は少ないので、バーンを実施したことをアナウンスすると「なんとなくの期待」で買いが入ることも少なくありません。
仕組み上は仮想通貨の価値が高まらない(流通済みの仮想通貨の枚数が減らない)バーンも存在することは覚えておきましょう。
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