- 仮想通貨のブリッジとは
- 仮想通貨ブリッジのおすすめサイト
- 仮想通貨のブリッジのやり方
- 仮想通貨ブリッジをするときの注意点
- 仮想通貨ブリッジの仕組み
仮想通貨のブリッジとは、仮想通貨ウォレットに保管した仮想通貨を異なるブロックチェーンに送金できる仕組みのことです。
例えば、仮想通貨ウォレットに入っている「イーサリアムメインネットのUSDT」を「BNB Smart ChainのUSDT」に移動させることができます。

ウォレットだけではこのようにブロックチェーンの間をまたぐことはできません。
ブリッジサイトに接続することで初めてブリッジができるようになります。
おすすめブリッジサイトは次の2つです。
- Celer cbridge:対応チェーンが多い&初心者でも使いやすい
- Multichain:機能が多い&対応チェーン数が最も多い
メタマスクを接続してブリッジサイトを使うことで簡単に仮想通貨を別チェーンに送れますが、押さえておくべき注意点もあります。
- ブリッジサイト特有で発生する手数料
- ブリッジレートの変動

この記事を読むことで、オススメのブリッジサイトとブリッジ方法が分かり、ブリッジ時の注意点を全て押さえることができます。
後半ではブリッジの仕組み・カラクリについても解説しているので、是非最後までご覧ください。
仮想通貨のブリッジとはチェーン間の送金
仮想通貨のブリッジとは、仮想通貨ウォレットに保管した仮想通貨を異なるブロックチェーンに送金できる仕組みのことです。
例えば、仮想通貨ウォレットに入っている「イーサリアムメインネットのUSDT」を「BNB Smart ChainのUSDT」に移動させることができます。



ウォレットだけではこのようにブロックチェーンの間をまたぐことはできません!
ブリッジサイトに接続することで初めてブリッジができるようになります。
以下のようなケースでは、仮想通貨を別のブロックチェーンに送る必要があります。
- 間違えて違うネットワークでメタマスクに送金してしまった
- 別のネットワークで利用したいサービスがあるので移したい
- 稼いだ仮想通貨を国内取引所と繋がってるネットワークに移したい
このような時に仮想通貨のブリッジを行うと直接別のブロックチェーンに送金できます。
ブリッジサービスを利用すると送金に掛かる時間と手間を減らせます。
ブリッジサービスを利用しない場合、メタマスク上の仮想通貨を別のブロックチェーンに送金するには以下の手順を踏む必要がありました。
- USDTをEthereumで入金できて、BNB Smart Chainで送金できる仮想通貨取引所を探す
- 仮想通貨取引所にEthereumで送金する
- 仮想通貨取引所からメタマスクにBNB Smart Chainで送金する



一度取引所を挟むので、手間が掛かることは想像がつきますね!
ブリッジを利用するとこれが直接送金できるようになります。
とても便利なので、是非サービスの内容を理解して仮想通貨のブリッジを使いこなせるようになりましょう!
対応チェーン数と取引量でサイトを選ぼう
仮想通貨をブリッジできるサイトはたくさんありますが、「①対応しているブロックチェーンの数」と「②TVL(Total Lock Value)」の多さでサイトを決めるのがおすすめです。
対応チェーンが多いと自由にブリッジができるので便利です。
TVLとはブリッジサイトに預けられている仮想通貨の総額です。TVLが多いと次の2つのことがいえます。
- 対応チェーンが多く沢山利用されている
- 流動性が多く、安定したブリッジができる
ブリッジサイトは仮想通貨を運用したい投資家の仮想通貨が持ち寄られて運営されていることが多いです。(持ち寄られた仮想通貨のことを流動性と呼びます)
流動性が少ないとブリッジのレートが変わってしまい、1:1でブリッジできないことがあるので、流動性が多いというのはブリッジサイトを選ぶときに重要な観点です。
手数料については0.1%~0.5%程度でブリッジサイトの間で大きな差はありません。
また、ブリッジサイトの利用状況によって手数料は運営により柔軟に変更されるので、手数料で決めることは難しいです。


オススメは対応チェーン数が最も多くてTVLも大きいMultichain(マルチチェーン)と、同じように対応チェーン数が多く、操作性も良いcbridge(シーブリッジ)です。



以下でどちらを利用するか決めましょう!
- マイナーなブロックチェーンに送る予定はなく、使用感を重視したい⇒cbridge
- とにかく対応チェーン数多くて一番利用されているブリッジサイトが良い⇒Multichain
仮想通貨ブリッジのおすすめサイト紹介①


Celer cbridge(セーラーcブリッジ)とは
celer cbridgeは以下のブロックチェーンに対応したブリッジサイトです。
- Ethereum
- Astar Network
- BNB Chain
- Avalanche
- Polygon
- Arbitrum, Fantom
- Metis Mainnet
- Oasis Emerald
- Celo
- Aurora
- Harmony
- Moonbeam
- Moonriver
- Optimism
- Boba Network
- OKExChain
- Heco
- Clover
- Gnosis Chain
- Milkomeda
- Cardano
- Shiden
基本的なブロックチェーンには全て対応しています。
ブリッジサイトはとてもシンプルで、初心者の方でも直感的にブリッジできます。





cbridgeの詳細な仕様は下の記事で解説しています。
Celer cbridgeのブリッジのやり方
画面右上から自分の仮想通貨ウォレットと接続して、送金元のネットワークを選びます。


ウォレットと接続できたらブリッジしたい仮想通貨・ブロックチェーンを選択します。
下の画像は仮想通貨ATLをBNB Smart ChainからPolygonにブリッジする例です。
初めてブリッジする仮想通貨は「Approve」で承認し、それから「Transfer」を選択します。


最後に確認画面が表示されます。次の3つの内容に問題がないことを確認して「Confirm Transfer」を選択します。
- Bridge Rate:ブリッジ前後の枚数の比率
- Fee:手数料
- Estimated Time of Arrival:ブリッジに掛かる時間
ガス代を支払うとブリッジが開始されます。



送金先のブロックチェーンで着金していたらブリッジ完了です!とても簡単にブリッジできますね。
仮想通貨ブリッジのおすすめサイト紹介②


Multichain(マルチチェーン)とは
Multichainは最も多くのブロックチェーンに対応したブリッジサイトです。
例えば、以下のブロックチェーンに対応しています。
- Arbitrum
- Astar Network
- Aurora
- Avalanche
- Bitcoin
- Blocknet
- BNB Chain
- Boba Network
- Celo
- Clover
- ColossusXT
- Conflux eSpace
- Cronos
- Ethereum
- Fantom
- Fuse
- Fusion
- Gnosis
- Harmony
- Huobi
- IoTex
- KCC
- Litecoin
- Metis
- Milkomeda
- Moonbeam
- Nebulas
- OEC
- Oasis Network
- Optimism
- Polygon
- REI
- Shiden Network
- Syscoin NEVM
- Telos
- Terra
- Velas
- XRP
cbridgeと比べると機能が多く、少し複雑ですが初心者でも簡単にブリッジができます。





Multichainの詳細な仕様は下の記事で解説しています。
Muitichainのブリッジのやり方
ここからMultichainのブリッジ画面にアクセスできます。
画面右上からメタマスクを接続して、ブリッジ元のネットワークに変更したら以下の手順でブリッジしていきます。
- ブリッジ前とブリッジ後の仮想通貨・ブロックチェーンを選択する
- ブリッジする仮想通貨の枚数を入力
- 見積もりを確認する
- ガス代を支払う
例えば、仮想通貨バイナンスコインをBNB Smart ChainからPolygonに送りたい場合、下のように設定します。




ブリッジ画面の下に表示されるReminder(リマインダー)も目を通しておきましょう。


上から次のようになっています。
- ブリッジ手数料(ガス代に加えて発生)
- 最小ブリッジ数量
- 最大ブリッジ数量
- ブリッジに掛かる時間
- ブリッジ枚数が多い場合に掛かる時間
仮想通貨のブリッジの仕組みとは
仮想通貨のブリッジの仕組みは、ブリッジサービスを提供している運営がハブの役割を担うことで成り立っています。
下は流動性プール方式と呼ばれる仮想通貨のブリッジのイメージです。


バリデーターがブリッジ取引を承認
ブリッジ運営でブリッジ取引の管理・監視・承認を行っている人をバリデーター(Validator)と呼びます。
仮想通貨の送金や分散型取引所の取引を承認する承認者(バリデーター)と同じようなイメージです。
多くのブリッジサービスでは、バリデーターは次のように選ばれています。
- 一定枚数以上の仮想通貨を保有すると候補者に選ばれる
- 仮想通貨保有している人は投票に参加でき、トップ数十人がバリデーターになる
このようなバリデーターの選出方法はDPoS(Delegated Proof of Stake)と呼ばれます。
Delegated Proof of Stake(DPoS)はProof of Stake(PoS)というバリデーターの決め方の派生形で、仮想通貨の保有量や保有期間に従って投票権を与え、その投票によって選ばれた人が承認者となる仕組みです。
Delegatedは「委任された」という意味で、多く仮想通貨をステーキングしていればそれだけで承認者になれる訳ではなく、投票されることで初めて承認者になれます。



実際は多くステーキングしていればその分自分に投できるので、承認者となれる確率は高まりますね!
有名なバイナンスのBNB Chainのバリデーターもこの方法で選ばれています。
DPoSはPoA(Proof of Authority、権威による証拠)と呼ばれる仕組みのエッセンスが詰まっていて、候補者の権威性が投票では重要視されます。
組織であれば有名な仮想通貨取引所の運営だったり、個人であれば数百人フォロワークラスのインフルエンサーである必要があったりします。



仮想通貨をたくさん保有しているだけでバリデーターになって報酬を貰えることはないということですね!
次に具体的なブリッジ方法の仕組みについてご紹介します。
大きく分けて次の2種類に分類されます。
- 流動性プール方式
- ペグ方式
両方の仕組みを導入しているブリッジサービスと、片方の仕組みだけ導入しているブリッジサービスがあります。
本記事で紹介したcbridgeとMultichainは両方採用されています。
ブリッジ手法①:流動性プール方式
流動性プール方式とは流動性プールという仮想通貨が貯まっている場所を中継してブリッジを行う方法です。


流動性プールに仮想通貨を一時的に提供して、ブリッジサービスの運営に協力すると報酬として仮想通貨を貰えます。
提供されている仮想通貨の枚数が少ない流動性プールは年利(ARP)が高くなる仕組みなので、自然と仮想通貨は流動性プールに供給されるようになっています。
仮想通貨のブリッジを行うと、送金元の仮想通貨はプールに貯まり、送金先のチェーンの流動性プールから仮想通貨が出ていきます。



画像を見ると私たちのブリッジしたい仮想通貨は、ブリッジ元から別のチェーンに移動しているというより、ブリッジ先のチェーンの仮想通貨と交換しているようなイメージになることが分かりますね。
従って、ブリッジサービスによっては「ブリッジ」ではなく「スワップ(Swap)」と表現していることもあります。
流動性プール方式では、仮想通貨が正規に発行されているブロックチェーン間でのみブリッジができます。
例えば、最もメジャーなステーブルコインUSDCは次の8つのチェーンでCircleというアメリカの企業から正式に発行されています。
- Ethereum
- Solana
- Avalanche
- TRON
- Algorand
- Sellar
- Flow
- Hedera
これらのチェーンでそれぞれ流動性プールが用意されるので、自由にブリッジができます。



私たちが通常利用するブリッジはほとんど流動性プール方式になる考えて問題ないです。正規にリリースされていないブロックチェーン上にブリッジする機会はないからです。
正規のブロックチェーンでリリースされていない場合、流動性プールをそもそも作れないためブリッジできません。
流動性プールが用意されていない場合、次のペグ方式で仮想通貨がブリッジされます。
ブリッジ手法②:ペグ・ラップ方式
ペグ方式とは、ブリッジ元の仮想通貨を預かっておき、同じ枚数だけブリッジ先のチェーンでペグトークンを新規発行する仕組みです。


ペッグドトークン(Pegged Token)とは、価値の裏付け資産が紐づけられた(ペグされた)仮想通貨のことです。
ラップドトークン(Wrapped Token)とも呼ばれます。



例えば、ビットコインはBitcoinのブロックチェーン上で新規発行されている仮想通貨です。
このビットコインはブリッジサービスでEthereumのラップドトークンであるwBTCにブリッジができ、Ethereumのチェーン上に持っていくことができます。
元のビットコインは以下のように仮想通貨を預かるウォレットに保管され、ラップドトークンの価値を保証するための仮想通貨としてロックされます。
その後、同じ枚数のビットコインがEthereumのチェーン上で発行されます。


Wrapped BTCをMultichainに持っていくと元のオリジナルチェーン上のBTCに戻せます。
Wrapped BTCはこの時バーン(Burn)という処理が行われて処分されます。





ラップドトークンって何の意味があるの?ビットコインをEthereumのチェーン上で使う意味ってあるのかな?



代表的なメリットの1つは分散型取引所でビットコインを使えるようになるということです!
ビットコインのブロックチェーンでは分散型取引所の仕組みを構築できませんが、Ethereumならできます。
Wrapped BTCにすることで分散型取引所に預けて資産運用ができるようになります。
ペグ方式では流動性プールを必要としないので、流動性プールが用意されていない仮想通貨でもブリッジできます。
ブリッジ先の仮想通貨を戻す際は逆の流れになります。
この時、ペグトークンはバーン(burn)されてなくなる仕組みになっています。


仮想通貨ブリッジ時の2つの注意点とは
仮想通貨のブリッジをするときに覚えておきたい注意点が2つあります。
※読みたい所にジャンプできます。



大きな損失に繋がってしまうこともあるので、概要だけでも押さえておきましょう!
①ブリッジ時に支払う4つの手数料とは
仮想通貨のブリッジでは次の4つの手数料を支払います。
- ガス代(送金元チェーン)
- ブリッジ運営への報酬
- 流動性提供者への報酬
- ガス代(受取チェーン)
①と④はブリッジするチェーンによって変わります。
②と③は利用するブリッジサービスやブリッジする仮想通貨によって変わりますが、0.1~0.5%程度になります。


①のガス代はブリッジを行ったときにいつものメタマスクのガス代の画面で支払います。
②・③・④は合わせてブリッジ手数料(Bridge Fee)としてブリッジ金額から差し引かれます。
このように4つ分けて考えると支払う手数料が多いように感じてしまいますが、仮想通貨取引所を経由してブリッジする時と比べて②+③(0.1%~0.5%程度)が上乗せされているだけです。
仮想通貨取引所を利用する場合は、流動性提供者に支払う報酬分の手数料がないからです。



高いと捉えるか安いと捉えるかは人それぞれですが、手間がまったく掛からないので、十分利用する価値はありますね!
②ブリッジ時のブリッジレートの変化
流動性プール方式で仮想通貨のブリッジを行う場合、1:1で仮想通貨をブリッジできず、ブリッジ先で仮想通貨が少し減ったり増えたりしてしまうことがあります。



増える分にはいいですが、減ると困ってしまいますね。
ブリッジレートは下のようにブリッジ画面で事前に確認できるので、ブリッジレート(Bridge Rate)は必ず確認してからブリッジして下さい。


上のようにブリッジレートが1:1であれば問題ありません。
ブリッジレートの変動がないブリッジサービスもあります。



でもなんでブリッジした後に枚数が変わっちゃうの?



ここから仮想通貨のブリッジのルールについて説明していくので、気になる方は是非ご覧下さい!
結論、ブリッジレートが変動するサービスでは「StableSwap AMM」という仕組みが導入されている場合が多いです。
ブリッジサービスのStableSwap AMMは、流動性プールを枯渇させないための仕組みです。
StableSwap AMMは次の2つのルールを組み合わせたルールのことです。
- ブリッジの結果、2つの流動性プールの枚数がある程度均衡するときは1:1でブリッジ
- ブリッジの結果、2つの流動性プールの枚数がある程度均衡しない時は枯渇しないよう調整してブリッジ



「ある程度」と表現したのは、どの程度均衡しなくなったときに調整するかはブリッジサービス側が決めることができるからです!
具体例を挙げてイメージしてみましょう。
あなたは今USDT(Ethereum)をUSDT(BNB Smart Chain)にブリッジしようとしています。
USDT(BNB Smart Chain)の流動性プールの枚数をx、USDT(Ethereum)の流動性プールの枚数をyとしたとき、StableSwap AMMではxとyが次のようなグラフで表されます。


このグラフには次の特徴があります。
- xとyの枚数が均衡しているときはy=-x+kの一次関数のグラフになる
- xとyの枚数が均衡しなくなると、y=a/xの反比例のグラフになる



グラフの形もそうなっていますね!
ちゃんと両方のプールが均衡していると、USDT(ETH)が1枚増えたらUSDT(BNB)は1枚減ります。5枚増えたら5枚減ります。(プールの枚数はy=-x+kの関係)
下のように、USDTプールが均衡していない場合はどうでしょうか。


あなたがUSDT(ETH)をUSDT(BNB)にブリッジした時、USDT(ETH)のプールは増えてもUSDT(BNB)はほとんど減らないこと分かります。
USDT(BNB)のプールがほとんど減らないということは、あなたの手元にUSDT(BNB)はほとんどブリッジされないということです。



逆に均衡に戻るようなブリッジを行うと、USDT(BNB)は少し増えてブリッジされます!
このようにプールの均衡状態に大きな片寄りを生んでしまうと、ブリッジレートが大きく変わってしまうので、必ず事前に確認する癖を付けましょう。
ちなみにStableSwap AMMは名前から分かるように、本来は分散型取引所のステーブルコイン同士のスワップで使われていたルールです。
仮想通貨のブリッジはETH同士・MATIC同士のように、別チェーンではありますが同じコインをスワップしているような取引なので、このルールがぴったりという訳ですね。
このグラフの導き方やその他の詳細はこちらの分散型取引所のStableSwapAMMの記事で解説しています。
各ブリッジサービスは最初分散型取引所で導入されたStableSwap AMMを独自に調整して活用しています。
どの程度枯渇するとレートは変化する?
StableSwap AMMの仕組みでどの程度流動性プールが枯渇するとブリッジレートが変化するのかについて、以下の記事で検証しています。
結論、Celer cbridgeでは枯渇一歩手間になるまでブリッジレートは変化しませんでした。
少なくてもCeler cbridgeでは余程大きな枚数をブリッジしない限り、ブリッジレートは変化しません。
仮想通貨ブリッジで流動性を提供する方法
流動性プール方式のブリッジサービスの場合、流動性を提供することで仮想通貨を報酬として貰えます。
例えば、ブリッジサービスCeler cbridgeであれば仮想通貨CELR(セーラー)が貰えます。


ブリッジの流動性提供で貰える報酬量
流動性提供で貰える報酬量は各流動性プールでAPR(年利)で表示されています。
本気記事の「①ブリッジ時に支払う4つの手数料とは」で紹介した手数料のうち、ブリッジする人が支払う③の手数料が流動性提供者の報酬となるイメージです。


例えば、上の画像のケースであなただけがUSDT(BNB Smart Chain)に流動性を提供していた場合、ブリッジする人が支払う③の手数料はあなたの報酬になります。
仮に複数人で流動性プールを提供していた場合、金額比で報酬が案分されます。
たくさんブリッジに利用されればされるほど、自分が提供している流動性の占める割合が大きければ大きいほど報酬は大きくなる仕組みです。



APRは直近24時間の実績で計算されていることが多く、ブリッジの利用頻度で変化するので注意しましょう!
利用者の多いステーブルコイン等はAPRが安定しやすいです。
流動性提供のやり方



流動性提供のやり方については各ブリッジサービスの紹介記事で解説しているので、是非参考にして下さい!
流動性が別チェーンに移動する?
自分が提供した流動性は勝手に別のチェーンに移動されることがあります。
以下のCeler cbridgeのFAQページで詳しい事例が掲載されているので、そのままご紹介します。
Why is my liquidity distribution on each chain different from when I initially supplied liquidity?
あなたは10,000USDTをBNB Smart Chainで流動性として提供しており、これが唯一の流動性プールだとしましょう。
他の人がPoygonの2,000USDTをBNB Smart Chainにブリッジしました。
この時流動性プールは8,000USDT(BNB)と2,000USDT(Polygon)になり、あなたの流動性プールの一部はPolygonになりました。
実際は流動性プールには多くの人が提供しているため、10,000USDT(BNB)分の流動性は常に解除できる状態なので、こういったことは基本起こりません。



あるブロックチェーンで全員が同時に流動性を解除して引き出すような事例があった時には起こり得る話ですね。
最後の人は自分の分を引き出せなくなる可能性があります。
例外的な事例なので、具体的な引き出し手順についてはライトペーパーに書かれていません。
勝手に移動されるか運営に直接コンタクトを取る必要があるはずです。(他のブリッジサービスでは運営にコンタクトを取るように記載されていることが多い)
頭の片隅入れておきましょう!
インパーマネントロスについて
仮想通貨のブリッジでは、インパーマネントロスと呼ばれる損失が発生することがあります。
インパーマネントロスは分散型取引所で流動性を提供しているときに発生することで有名ですが、仮想通貨のブリッジでも同じような仕組みで発生します。



分散型取引所のインパーマネントロスは以下の記事で解説しています。
仮想通貨のブリッジには流動性プール方式というブリッジがありました。(※ここからジャンプして戻れます)
流動性プール方式では、ブリッジの結果により、以下のようなブリッジレートの変化が生まれます。
- ブリッジの結果、2つの流動性プールに極端な開きが生まれてしまう場合、受け取れる通貨が減る
- ブリッジの結果、極端な開きが生まれていた2つの流動性プールが戻る場合、受け取れる通貨が増える
後者のようにブリッジ者が受け取った仮想通貨が増えた場合、流動性を提供した側ではインパーマネントロスが発生していることになります。
分かりやすい例を考えるために、Aさんだけが以下の流動性プールを持っていたとしましょう。
- USDT(BNB Smart Chain):50,000枚
- USDT(Ethereum):5,000枚
- 合計は55,000枚
ここでBさんがUSDT(Ethereum)20,000枚をUSDT(BNB)にブリッジしようとしました。



明らかに均衡が戻るようなブリッジになっていますね。
このとき、以下のグラフのように受け取れるUSDT(BNB Smart Chain)の枚数は20,000枚より多くなります。


仮に20,050枚だった場合、Aさんの流動性プールは以下のように変化します。
- USDT(BNB Smart Chain):29,950枚
- USDT(Ethereum):25,000枚
- 合計は54,950枚
Aさんの流動性プールのUSDTが50枚減ってしまいました。
この分がインパーマネントロスで、Aさんがこの時点で流動性の提供を解除した場合はインパーマネントロスが50ドル発生し、50ドルの損失を出したことになります。
この流動性がAさん以外の複数人で作られたものだった場合、このインパーマネントロスは分配されるようなイメージです。



50人だったら1人1ドルインパーマネントロスが発生するという訳ですね!
また均衡が生まれるような取引をすると、インパーマネントロスは解消されていきます。
仮想通貨のブリッジに関する損得表
ここまで解説してきたように、仮想通貨のブリッジサービスではブリッジレートとインパーマネントロスは裏表の関係になっています。
以下のようなイメージです。
ブリッジ結果・・・ | ブリッジ者 | LP提供者 |
---|---|---|
2つのLPの比率に変化なし | – | – |
2つのLPの比率に乖離が生まれる | ブリッジレート損 | IL解消 |
2つのLPの比率の乖離が縮まる | ブリッジレート得 | IL発生 |



乖離生まれたり、乖離縮まる状況ではブリッジサービスは注意して利用する必要がありますね。
まとめ:仮想通貨ブリッジを使いこなそう
仮想通貨のブリッジとは仮想通貨ウォレットに保管した仮想通貨を異なるブロックチェーンに送金できる仕組みのことです。
例えば、仮想通貨ウォレットに入っている「イーサリアムメインネットのUSDT」を「BNB Smart ChainのUSDT」に移動させることができます。
ウォレットだけではこのようにブロックチェーンの間をまたぐことはできません。
ブリッジサイトに接続することで初めてブリッジができるようになります。
おすすめブリッジサイトは次の2つです。
- Celer cbridge:対応チェーンが多い&初心者でも使いやすい
- Multichain:機能が多い&対応チェーン数が最も多い



とても便利なので、仮想通貨のブリッジを使いこなせるようになりましょう!
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