
NFTゲームとかDeFiを触っていると、「LPロック」っていう言葉を見かけるんだけど一体何のこと?
この記事ではこんな方の疑問を解決します。
- LPロックってそもそも何?
- 流動性プールをロックすることの重要性
- 運営側がLPをロックする方法
- 利用側がLPがロックされているか確認する方法
- ロック期間を確認して運営の資金持ち逃げ(ラグプル)は予測できる
NFTゲーム・ブロックチェーンゲームをプレイしていると、ラグプルと呼ばれる資金の持ち逃げが起こることがあります。
ある日突然ゲームで稼いだ仮想通貨が分散型取引所で交換ができなくなり、サービスが突然終了してしまったケースに遭ったことがある方も多いのではないでしょうか。
こういった状況が当たり前に起こってはプレイヤーは寄り付かないので、NFTゲームの運営は「LPロック」と呼ばれる資金を持ち逃げできない設定を自ら行う場合がほとんどです。
従って、ラグプルは以下のような状態で起こります。
- LPロックをそもそもしてない
- LPロックの期間が切れた
このLPロックに関する知識を深めて事前にLPロックの状況を確認することで、ラグプルが起きる可能性がある状態なのかどうか確認できます。



事前にラグプル前提のプロジェクトかどうかを判断することは難しいので、LPロックを理解して、自分の資産を守りましょう!
この記事を最後まで読むことで、LPロックの概要とLPロックの状況を確認する方法が分かり、事前にラグプルに対して対策ができるようになります。
前提:流動性プールで仮想通貨は換金される
まずはLPロックを理解するために必要な知識「流動性プール(Liquidity Pool)」ついて簡単にご紹介します。
LPロックの確認方法をすぐ知りたい方はここからジャンプして下さい!
分散型取引所は利用者が仮想通貨を持ち寄って市場が作られています。


利用者が持ち寄った仮想通貨が貯まっている場所は流動性プール(Liquidity Pool、LP)と呼ばれます。


流動性プールにはペアで仮想通貨を預けます。
預けられた仮想通貨のペアでのみ交換(スワップ)ができるようになります。
上の画像の例だと、BTCとUSDTの流動性プールがあるので、BTCとUSDTでスワップができるようになります。
同じようにETHとUSDTの流動性プールがあるとき、BTC⇒ETHに直接スワップすることもできますが、実はBTC⇒USDT⇒ETHの様に一度USDTに勝手にスワップされてます。



ガス代もその分多く掛かっており、分散型取引所が自動で色々仲介しながら最終目的の仮想通貨にスワップしてくれるイメージです。
NFTゲームで稼ぐ仮想通貨も流動性プールが分散型取引所に用意されてるので他の仮想通貨に交換できるという訳です。
NFTゲームの仮想通貨の流動性プールは主に以下の3つの方法で仮想通貨が充当されます。
- 運営が調達した資金
- NFTの購入代金
- 投資家の提供する流動性(利息を稼ぐイールドファーミング)
NFTゲームにも依りますが、流動性プールの半分近くがこの運営が調達した仮想通貨で構成されていることが多いです。
運営の資金の持ち逃げ「ラグプル」とは
運営が事前の予告なしに流動性プールの仮想通貨を自ら売って逃げることがあります。
この詐欺手口はラグプル(Rug Pull)と言われ、カーペットを引っ張り(運営が売り逃げ)、上にいる人が転ぶ(投資している人が損する)ことが由来となっています。
NFTゲームにも依りますが、流動性プール内の仮想通貨の内、運営分が占める割合が半分近くあることも多いので、当然ラグプルが起きると大暴落します。
同時にイールドファーミングを行っている投資家も流動性プールから資金を引き上げるため、どんどん暴落していきます。



以下は、私が2022年に熱中したNFTゲームMyRichFarm(マイリッチファーム)がラグプルした瞬間の私のツイートです。


LPロックとはLPの解除をできなくする設定
LPロックとはNFTゲームの運営が自ら提供している流動性分をロックサービスを利用して引き出せないようにすることを言います。
NFTゲームのプレイヤーが常にラグプルに怯えていてはプロジェクトが成立しないので、運営はこのLPロック(Liquidity Pool Lock)を行うのが基本です。
LPロックはMudraやPinksaleといった有料のLPロックサービスを利用します。
運営はこういったサービスを使い、ロックするLPのアドレス、数量、期間を決めてLPロックを行います。




半年間・1年間等でロック期間を設定し、期限が切れたらすぐに更新を行うのがNFTゲーム運営の基本です。



ロックする期間も運営自身が決めることができるため、長ければ長い程、そのプロジェクトに対して運営が覚悟を持っていると言うことができますね!
LPロックを自分で確認する方法
LPがロックされているかどうかは簡単に確認することができます。
特にNFTゲームをプレイしている方は必ずLPロックされているか、そのロック期間がいつまでか確認しましょう。



これにより以下のようなラグプル対策を取れます!
- LPロックされていない:そのプロジェクトには一切参入しないか、資金を入れ過ぎないようにする
- LPロックされている:ロック期限が近付いた時に運営状況が芳しくない場合、撤退を検討する
ちなみに私が2022年に熱中していたNFTゲーム「MyRichFarm」は2023年1月にラグプルしましたが、LPロックの期限が切れた直後にラグプルしています。


運営が上手くいっていない中でのロック期限切れはラグプル可能性大なので注意しましょう!



以下のサービスを利用することでLPロック状況は確認できます。
- Moonarch(ムーンアーチ):BEP-20規格(BSC)関連のトレードに便利なツール・サービスです。
- Mudra(ミュドラ):LPロックを行うことができるサービスですが、ロックの確認にも便利です。
2023年2月時点では無料で確認できるムーンアーチがオススメです!
MoonarchでLPロックを確認(無料)
Moonarchでは無料でLPロックを確認することができます。
上の検索バーにトークン名やトークンアドレスを入力することでそのトークンが該当するLPのロック状況を確認することができます。


- Liquidity(画面左):LPの総額(RCHが$1,075,375分流動性プールにある)
- Liquidity(画面右):LPのロック割合(LPに預けられているRCHのうち、運営分の30.3%がロック済み)
- Liquiditiy(画面左下):ロック割合とロック期間が表示されます(134日)



無料でここまで確認できるので、とても便利ですね!
MudraでLPロックを確認(Mudra必須)
LPロックを行うことができるMudraでLPロックの確認も行うことができますが、有料になります。
サイト下の「Mudra Premium」の$100プランで、仮想通貨Mudraを$100分購入し保有することで、LPロックを簡単に確認することができるようになります。





注意点として、仮想通貨Mudraは$100分保有し続けないと使えなくなってしまうため、Mudraの価格が下がった場合は買い足さないと使うことができなくなります。


このようにMudraは価格の変動が激しいので、最初に$100買って使い続けるようなことは難しく、買い足ししないと継続利用できないので注意しましょう。
Premiumプランに入ったら、walletを接続して「Mudra Research」にトークンアドレスを入力することでLPがロックされているか確認することができます。


LPロックができる2つのサービスの紹介



運営は主に以下のようなサービスを利用して、自らが提供した流動性をロックしています。
- Pinksale(ピンクセール):ユーザーが独自でトークンを作成したり、そのリリースを行ったり、LPのロックを行ったりできるサービスです。
- Mudra(ミュドラ):Pinksaleと同様に、ユーザーが独自でトークンを作成したり、そのリリースを行ったり、LPのロックを行ったりできるサービスです。
Pinksale(ピンクセール)について


画面左に「Create Lock」があり、ここにLPアドレスを入力することで期間を決めてLPをロックできます。
その他にもトークンを作成したり、エアドロップを行ったりできるために、運営側にとっては必須ツールの1つです。
Mudraについて


Pinksaleと同様に「Mudra Liquidity Locker」でロックするLPや期間を設定することでLPをロックできます。
まとめ:LPロックを確認する癖をつけよう!
LPロックとはNFTゲームの運営が自ら提供している流動性分をロックサービスを利用して引き出せないようにすることを言います。
NFTゲーム運営によるラグプル被害を避けるためにはLPロックの確認が必須です。
LPロックを確認すると事前に以下のような判断ができます!
- LPロックされていない:そのプロジェクトには一切参入しないか、資金を入れ過ぎないようにする
- LPロックされている:ロック期限が近付いた時に運営状況が芳しくない場合、撤退を検討する
LPロックの確認は以下のサービスで行うことができます。
- Moonarch(ムーンアーチ):無料なのでお勧めです。
- Mudra(ミュドラ):仮想通貨Mudraを100ドル分保有する必要があります。
2023年2月時点では無料で確認できるムーンアーチがオススメです。
NFTゲームのラグプル被害が後を絶たない状況です。



必ず流動性プールのロック状況を確認して、賢く立ち回るようにしましょう!
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