
ビットコインの価格が将来1億円になるって聞いたんだけど本当?どういう理由でそういう予想が立てられてるのか知りたいな・・・
この記事ではこんな方の疑問を解決します。
ビットコイン投資を行っている方の多くが不安を抱いていることの1つは「ビットコインの価格がいつ何倍になるのか」ということでしょう。



ビットコインは有名な価格予想モデルの1つに「2025年にビットコインは1枚1億円になる」というものがあります。
ビットコインの将来価格の予想は様々なインフルエンサーが行っていますが、この「1BTC=1億円」というのは最も大胆な価格予想の1つで「ストックフローモデル」と呼ばれています。


本記事を読むことで、ストックフローモデルの「1BTC=1億円」という価格予想の根拠と真偽を理解することができ、適切な判断でビットコイン投資を行うことができるようになります。
- ビットコインの価格予想「ストックフローモデル」とは
- ストックフローモデルの信憑性
ビットコインの価格は近い将来「1BTC=1億円」になる


ビットコインの価格は2025年に「1BTC=1億円」になる、ビットコイン・仮想通貨界隈で非常に有名なインフルエンサーであるPlanBさん(@100trillionUSD)は2019年の3月にMediumでこのように発信しました。
▶Modeling Bitcoin Value with Scarcity
日本語訳すると「希少性に基づくビットコインの価格モデル」となります。
この大胆な価格要素について当時様々なメディアで取り上げられ、現在でもビットコインの将来価格予想で度々登場する一説となっています。
この「1BTC=1億円」という価格予想は、金(Gold)や銀(Silver)といった希少性の高い鉱物資源の価格予想で使用される「ストックフローモデル」に従って計算されたものです。



「1BTC=1億円」っていうのはすごいね!僕は1BTC=300万円くらいで買ったから30倍以上!でもどんな予想なのかな・・・
ストックフローモデルを初心者向けに解説


ストックフローモデルの概要
ストックフローモデルは金(Gold)や銀(Silver)といった希少性の高い鉱物資源の将来価格予想で使用される計算モデルです。



ストックフローモデルでは、以下のSF(ストックフロー)と呼ばれる値を利用して価格を予想します。
SF=流通している総量(ストック)÷ 年間の発掘総量(フロー)
式の意味合いとしては「現在流通している総量を今から発掘すると何年掛かるか」ということになります。
例えば、年間の発掘総量が少なければ少ないほど、SFの値は大きくなり、それだけ今流通している分が貴重であるということが言えます。
以下が各鉱物資源のSFを計算した表になります。


例えば、一番上のgold(金)のSFは「185,000÷3,000=62」となっています。
そして、このSFの順にMarket Value(時価総額)の金額も大きくなっていることが分かります。



あまり発掘されないってことはそれだけ貴重ってことだよね・・・時価総額が高くなるのもなんとなく分かるかも!
ストックフローモデルをビットコインに応用する
金(ゴールド)は地球上に存在している量が限られた鉱物資源であり、その限られた資源を人間は発掘しています。
同様にビットコインも最大の供給量が2100万枚と決まっており、その限られたビットコインを取引の承認者であるマイナーが承認の報酬として貰っています。



PlanBさんは金や銀とビットコインが本質的に同じであると考え、ストックフローモデルをビットコインに応用できないかと考えました。
下のグラフは縦軸が時価総額、横軸がSFの値となっています。
赤・黄・緑・青の小さい丸はビットコインは過去のビットコインのSFとその時の時価総額をプロットしたものになり、大きい灰色の丸は銀、大きい黄色の丸は金の最新の時価総額とSFをプロットしたものになります。


ビットコインの毎年の新規発行枚数は基本的に同じですが、4年毎にマイニングの報酬を半分にする「半減期」と呼ばれる調整が起こります。
「半減期」とは4年毎に訪れるマイニングの報酬量が半分になる時期のことを言います。



ビットコインの新規発行量を調整し、過剰に通貨が発行されてしまうのとを防ぎ、希少性・価値を維持する仕組みです。
「流通している総量(ストック)÷ 年間の発掘総量(フロー)」の値について、基本的には流通している総量が少しずつ増えていきSFは緩やかに上昇していきますが、半減期のタイミング分母の発掘総量が半分になるため、SFの値は2倍になります。
従って、ビットコインを時価総額とSFでプロットすると、基本的に右肩上がりになっていきます。
このビットコインのプロット結果と銀・金のプロット結果を1つのグラフ上で表すと、画像のように右肩上がりの直線の周りに点が集まっています。
そして、伝統的な統計学の分析手法である「回帰分析」を利用すると、時価総額はSFを変数とする式で十分信頼できる確度で表せることが分かりました。
つまり、ビットコインの時価総額・将来価格はSFの値を変数とする式を使って予測することができるのです。



確かに金・銀を合わせて考えても上手く右肩上がりになってる・・・この関係を利用して価格予想するんだね!
下のグラフがPlanBさんが作成したストックフローモデルによるビットコインの価格推移になります。





このグラフによると、確かにビットコインは2025年に70万ドル(約1億円)に到達することになっています!
ビットコインの価格が1億円に到達するだけの資金が集まるのか


仮にビットコインの価格が将来的に1枚=1億円になった場合、総供給枚数が2100万枚なので、約2000兆円もの時価総額になることを意味しています。



金(ゴールド)の時価総額が現在約1000兆円なので、これはその2倍の規模ということになります。



これだけの規模に到達するまでにビットコインに資金は本当に集まるのかな?
PlanBさんはこれだけの資金がビットコインに集まる理由として、以下の4つが考えられるとしています。
- 各国が実施しているマイナス金利政策の影響
- 独裁政権を敷く国家
- 量的緩和に対するリスクヘッジ
- 機関投資家の需要
- ①各国が実施しているマイナス金利政策の影響
-
①については、日本でも行われ続けているようなマイナス金利政策のもとでは、マイナス金利が導入された資産については持っていると逆に利子を払う必要があります。
日本でいえば金融機関が日銀に預けている預金にマイナス金利が導入され、金融機関は企業への貸し出し等に資金を回すようになっています。
日本の例で考えると直接ビットコインの投資が増えるような状況がイメージできませんが、PlanBさんは「マイナス金利が導入されればされるほど、他の投資先としてビットコインが検討されやすくなる」ぐらいのニュアンスで言っているのだと思います。
- ②独裁政権を敷く国家
-
②については、ベネズエラ等の国家への信頼がない場合は、法定通貨への信頼もないため、必然的に仮想通貨への関心が高まるということです。
- ③量的緩和に対するリスクヘッジ
-
③については、量的緩和政策のもと、利下げを行い企業がお金を借りやすいようにすると、その国の法定通貨の価値は下がっていきます。
これは利子が高い資産の方が買われやすいので、利子が低い国の通貨が売り、利子が高い方の国の通貨を買う動きが働くからです。
例えばアメリカで量的緩和が行われ、世界の基軸通貨である米ドルの価値が下がっていくと、リスクヘッジとしてゴールドやビットコインが買われやすくなります。
- ④機関投資家の需要
-
④についても明確に説明はされていませんが、①~③の理由やそもそものビットコインのテクノロジーに対する期待で買われるという解釈で良いでしょう。



特別な理由を挙げている訳ではなさそうだけど、一応今の時代は仮想通貨に関心が集まりやすくはなっているっていうことだね!
ストックフローモデルの信憑性について





次にストックフローモデルの信憑性について考えてみます。



そもそもこのストックフローモデル自体が有効な分析モデルなのかが気になるね・・・
今回のPlanBさんのが似通っている資産として挙げている金(Gold)の価格については、ストックフローと相関があるのでしょうか。
下のグラフは年間のゴールドの採掘量の推移を表しており、増加傾向にあることが分かります。


下のグラフは金のストック量の推移を表しており、年間の採掘量分ずつ増えいていきます。


上の2つのグラフより「ストック量÷年間の採掘量」で以下のようなSFのグラフが作成され、年間の採掘量が増えていることにより、SFのグラフは下落トレンドとなっています。


この結果からすると、ゴールドの価格は長期的に見て下落トレンドになってくるはずですが、実際の価格はそうはなっていません。





たくさん発掘できるようになってるから、希少性が下がって価格が明確に下がっていくようなトレンドにはなっていないね・・・
これは実際はゴールドの価格に様々な要因が複雑に影響しているからです。
例えば、金(ゴールド)については米ドルの需要と逆相関があると言われており、世界の基軸通貨である米ドルが売られて安くなっている時はリスクヘッジとして代わりにゴールドが買われるようになり、逆に米ドルが買われて高くなっている時はゴールドが売られるようになっています。


これはゴールドの流通量と採掘量といった供給側のみの影響だけでなく、需要の側面がゴールドの価格に大きく影響していることを意味しています。
ストックフローモデルだけで投資判断を行うことは難しいということです。



確かにストックフローモデルは供給側の話しかしてないもんね・・・これだけで価格予想ができたら苦労しないかも!
さいごに



確かにPlanBさんが提唱するストックフローモデルに従うとビットコインの価格が2025年に1億円に到達することになります。
しかし、これはあくまでもビットコインの供給サイドから考えた価格予想に過ぎず、実際は多くの要素が複雑に絡み合って価格が決定されることは覚えておきましょう。
とはいえビットコイン、仮想通貨は優れたデジタル通貨として実体をもって評価されており、その期待は日に日に高まってるように感じます。
1億円というのはやや非現実的な金額だと個人的に思いますが、近い将来に数倍になる可能性は十分あると個人的には思っています。



僕はビットコインのテクノロジー自体の価値を信じてるから、引き続き投資は続けるつもり!半減期で希少性が高まるのは事実だと思うから、もうちょっと強気に買っていってもいいのかな~
- ビットコインとゴールドは限られた貴重な採掘資源である点で同じ
- 金と同じようにストックフローモデルをビットコインに利用すると2025年に時価総額1億円
- ストックフローモデルは供給面しかみていないが、実際は様々な要素が複雑に影響している
- 1億円とは言わないまでも、ビットコインのデジタル通貨としての価値は本物。数倍・数十倍は十分あり得る
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