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Aave(アーベ)の仮想通貨の貸し借りの仕組み・プロトコルを解説

この記事を書いた人
  • 米国公認会計士ワシントン州
  • Core30経理職
  • 2021年上期の仮想通貨バブル期にアルトコイン投資とBCGに夢中になりクリプトの世界へ
  • 現在は強気相場が予想される2024年の半減期に向けてビットコイン&アルトコインを仕込み中
  • 仮想通貨投資は500万円以上、NFTは50点以上保有、BCGは20作以上プレイ。一番やさしい丁寧なクリプト情報を発信しています
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本記事を最後まで読むことで、Aaveで仮想通貨の貸し借りを行うために必要な知識・仕組み・プロトコルを理解することができます。

本記事は、以下のAaveの公式ドキュメント・ホワイトペーパーを参考に作成しています。

さとう

仮想通貨Aave(アーベ)の買い方、仮想通貨の貸し借りのやり方は下の記事で詳しく解説しています。

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目次

Aave(アーベ)の仮想通貨の借り入れの仕組み

Aave(アーベ)で仮想通貨の借り入れを行う際は、次の5つの仕組みを押さえておきましょう。

aaveで仮想通貨を借りる時に覚えておくべき5つのこと

借入限度額(LTV)とは

仮想通貨の借り入れには限度額があり、仮想通貨を預け入れている金額(担保になる金額)によって変わります。

Aaveではこの最大借り入れ限度額のことを、Max LTV(Max Loan to Value)と呼び、仮想通貨毎に設定されています。

例えば、2023年5月24日時点の仮想通貨MATICのMax LTVは68%となっており、10ETHを預け入れた場合、借り入れができる最大のMATICは6.8ETH相当のMATICまでということになります。

さとう

各仮想通貨毎のMax LTVは、次のように確認できます。

aaveのMAX LTVの確認方法

清算閾値(LT)とは

清算閾値(Liquidation Threshold)とは、次の式で表される値が達すると「清算(Liquidation)」と呼ばれるアクションが発生してしまうラインのことを言います。

借り入れ額/担保額

清算とは、担保額に占める借入れ額の割合が上昇してしまったため、預けられていた担保を用いて強制的に返済が実行されることを言います。

前提知識①で紹介した例のように、10ETHを担保として預け入れ、Max LTVである6.8ETH相当分のMATICを借りたとしましょう。

借り入れ額/担保額=0.68

MATICの清算閾値(Liquidation Threshold)は73%となっているため、Max LTVまで借り入れを行うと清算までわずかしか余裕がない状態になっていることが分かります。

AaveのLiquidation Threshold(清算閾値)の確認方法
さとう

清算を避ける場合、Max LTVで借り入れを行うべきではないことが分かりますね。

担保額が少し値下がりしたり、借り入れた仮想通貨が少し値上がりしただけで清算が行われてしまいます。

Health Factor(Hf)とは

清算(Liquidation)のアクションは、実際は各仮想通貨毎の清算閾値(LT)ではなく、仮想通貨ウォレット全体のヘルスファクター(Health Factor, Hf)の値によって決定されます。

aaveのhealth factorの確認方法
さとう

具体的には、次の式によって表されるHealth Factorをウォレット全体で計算し、それが1を下回ると清算が実行されます。

\(Health Factor=\frac{担保額×清算閾値}{借入総額}\)

前提知識①・②と同じように、10ETHを担保として預け入れ、Max LTVの6.8ETH相当のMATICを借りたとしましょう。

MATICの清算閾値(Liquidation Threshold)は73%なので、Health Factorは次のように計算されます。

\(Health Factor=\frac{10×0.73}{6.8}=1.07\)

このように、Max LTVで借り入れを行うとすぐにHealth Factorが1を下回ってしまう状態になることが分かります。

さとう

次に、実際に清算が起きた場合の例をイメージしてみましょう。

下はAave公式サイトで紹介されている清算(Liquidation)の例です。

  • ボブは10ETHを預け入れ、5ETH相当のDAIを借り入れ
  • ボブのウォレットのHfが1を下回り、清算対象になる
  • 運営側は借り入れ額の50%(2.5ETH相当)まで清算が可能
  • 運営側は清算ペナルティ5%分を多く回収できる
  • 運営は2.5ETH+0.125ETH(5%分)の清算を実行

参考:Can you give me an example?(Example 1)

このように、清算は借入額の最大50%を限度に行われ、Health Factorが1以上に回復するように実施されます。

さとう

例で登場したペナルティについては次の前提知識④で解説しています。

ぱんだ

ちなみに、この清算っていう作業はなんで必要なの?

Aaveが生産を行う理由は、担保の価値が下がっていく状態を放っておくと、Aave側で負債が生まれてしまい、仮想通貨を借りずに貸している人が引き出せず、大きく損をしてしまうからです。

さとう

次のように、3人でAaveの中で仮想通貨の貸し借りが行われた場合をイメージしてみましょう。

  • 時系列①:AさんはETHを預け入れ
  • 時系列②:BさんはDAIを預け入れ、ETHを借り入れ
  • 時系列③:CさんMATICを預け入れ、DAIを借り入れ

ここでMATICの価格が大暴落し始めたらどうでしょうか。

Aave側でMATICを強制的に引き上げ、それを用いて返済するアクションを取らないと、仮想通貨を貸しているだけのAさんが大きな損失を被ってしまいます。

aaveの清算について
ぱんだ

清算でこれを避けているんだね!

清算ペナルティは次のように確認できます。

aaveの清算ペナルティの確認方法

清算されるときの損失とは

清算(Liquidation)が行われると、仮想通貨の借り入れを行っている人には、清算ペナルティ(Liquidation Penalty)と呼ばれる損失が発生します。

返済が必要な分と同額だけ強制的に担保から引き上げれば、返済する上では十分ですが、それ以上に担保を引き上げます。

この必要以上に担保を取り上げる分が清算ペナルティであり、各仮想通貨毎に決まっています。

さとう

清算ペナルティは次の2つの理由から課されています。

  • なるべく余裕を持って担保を用意してもらうため
  • 清算作業をわざわざ行う開発・運営側に対するインセンティブ

清算ペナルティは数パーセントの範囲で課されるため、致命的な損失にはなりませんが、余裕をもって担保を用意してから借り入れを行うことをオススメします。

支払う利息の金額について

Aaveで借り入れを行うときに支払う利息は、返済するときに一緒に支払います。

さとう

年間の利子率が各仮想通貨毎に数パーセント程度で決まっており、借り入れ期間が長ければ長いほど、支払う利子の金額も大きくなっていきます。

支払利息の計算方法は、預入総額に占める借入総額を表す「利用割合(Utilization Rate)」によって2つのパターンに分かれます。

まず、利用割合(Utilization Rate, Ut)は次の式で計算されます。

\(利用割合(Ut)=\frac{借入総額}{預入総額}\)

この利用割合(Utilization Rate)が、各仮想通貨毎に決まっている最適利用割合(Optimal Utilization Rate, Uoptimal)より大きいか小さいかで、支払う利息の計算方法が変わります。

\(U_{t}<U_{optimal}:利息率=R_{0}+\frac{U_{t}}{U_{optimal}}×R_{slope1}\)

\(U_{t}>U_{optimal}:利息率=R_{0}+R_{slope1}+\frac{U_{t}-U_{optimal}}{1-U_{optimal}}×R_{slope2}\)

\(\scriptsize U_{t}<U_{optimal}:利息率=R_{0}+\frac{U_{t}}{U_{optimal}}×R_{slope1}\)

\(\scriptsize U_{t}>U_{optimal}:利息率=R_{0}+R_{slope1}+\frac{U_{t}-U_{optimal}}{1-U_{optimal}}×R_{slope2}\)

R0・Rslope等の値は各仮想通貨毎に決められており、こちらから確認できます。(Polygonの例)

借り入れの利用割合が低いと、利率が低く算出される計算式が使われます。(たくさん借りてもらいたいから)

逆に、借り入れの利用割合が高いと、利率が急激に高くなるような計算式が使われます。(借りてもらいたくないから)

各仮想通貨の借り入れ画面の下に表示されている利率と利用割合のグラフが、急激に途中で上がっているのは、このことが理由になっています。

aave-utilization-rate

Aave(アーベ)に仮想通貨を預ける時の利回り計算の仕組み

仮想通貨の貸し付けで稼ぐことができる利息は、借り入れた人が支払う利息です。

具体的には、稼げる利息は次の式で計算されます。

年間利回り=利用割合×(変動金利割合・変動金利+固定金利割合・固定金利)×(1-留保率)

まず、利息を支払う側は以下の2つの金利のどちらかを選ぶことができるので、その加重平均を計算します。

  • 変動金利:そのときの状況に合わせて利率が変動する
  • 固定金利:借り入れを行ったタイミングで計算された利率で固定

そこに留保率(Reserve Factor)と呼ばれる、各仮想通貨毎に決まっているAave運営側に持っていかれる割合を掛け合わせます。(各仮想通貨のReserve Factorはこちらから確認できます

最後に、預け入れ総額に占める借り入れ額を表す、利用割合(Utilization Rate, Ut)を掛けて、稼げる利率が計算されます。

さとう

Utを掛け合わせ理由は、預け入れを行っても借りてくれる人がいないと利息が支払われず、収入にならないことを式に盛り込むためです。

たくさん借入で利用されて、たくさん利息が支払われる仮想通貨を預け入れると、たくさん稼げるという訳です。

2023年5月24日時点の仮想通貨MATICの場合、全て変動金利なので次のように貸し付けによる年間利回りは計算されます。

年間利回り=0.47(0+1・0.039)(1-0.2)=0.014

Aaveで預入・借入を繰り返して運用額を膨らませる戦略

DeFiのレンディングサービスには、借り入れた仮想通貨をさらに預け入れ、増えた借り入れ限度額分でさらに仮想通貨を借り入れ、その仮想通貨もまた預け入れて借り入れを行うということを繰り返していき、運用額を増やしていくという有名な戦略があります。

例えば、借り入れ限度額が担保額の50%(LTVが50%)となっている場合、この戦略を繰り返すことで運用資金を2倍にすることができます。

さとう

仮に、200MATICが手元にあるとしましょう。

この場合、預け入れた200MATICで、借り入れと預け入れを繰り返すことにより、理論上は最大で400MATICまで預入額を増やしていくことができます。(Polygonなのでガス代はほぼゼロと仮定)

借入限度額は2倍まで増やせる
イラストでイメージ
等比数列の和の公式で考えた場合

\(a_{n+1}=\frac{1}{2}a_{n}\)

\(S_{n}=\frac{a(1-(\frac{1}{2})^n)}{1-\frac{1}{2}}\)

1/2のn乗は最後0に収束するので、次の式のようになります。

\(S_{n}=\frac{a}{\frac{1}{2}}\)

\(S_{n}=2a\)

さとう

初項aの2倍になることが分かりますね。

200MATICの元手からさらに200MATIC借りることができ、400MATIC分の貸し付け利息の収入と200MATIC分の支払い利息が発生することになります。

基本的には、貸付利息の収入より、借入による支払利息の方が2倍以上大きいため、この戦略では損をする場合がほとんどなので注意しましょう。

この戦略が成立することもあり、それは特別報酬(リワード)が運営により多く設定された場合です。

貸し付け金額の大きさ、借り入れ金額の大きさに応じて特別リワードが付与されていたため、とにかく借り入れと貸し付けを繰り返して運用額を増やしていくのが有効な戦略でした。

しかし、こんな状況であれば皆同じことを考えるので、特別報酬がなくなるまで吸い尽くされるだけなので、報酬がすぐに少なくなってしまいます。

例えば、2023年5月24日時点では、MATICの借り入れで貰える年間のリワード(Reward)は0.72%となっており、ほとんど貰うことはできません。

さとう

通常の支払利息の下に小さく表示されている0.72%が特別報酬です。

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